研究実績

当教室で樹立した独自の実験系による婦人科癌の転移研究

A.浮遊増殖卵巣癌細胞の樹立とこれを用いた研究

腹水中で浮遊増殖し、腹膜に接着後は浸潤を始めることが卵巣癌細胞の大きな特色です。私達は、①浮遊状態で増殖するヒト卵巣癌細胞株(TAC3)を樹立しました。TAC3細胞は、基質に接着後も増殖浸潤を続けることから、“癌性腹膜炎のin vitroモデル”と考えられます。現在、この細胞を用いて、卵巣癌の転移調節遺伝子の発見と、細胞内メカニズムの探索を行っています。

ECM上では接着増殖・Plain上では浮遊増殖 卵巣癌の転移調節遺伝子の発見と、細胞内メカニズムの探索

B.動物転移モデルの作成とこれを用いた研究

ヒト難治性癌の転移機構解明のために、①“臨床像を反映する卵巣癌モデルマウス(癌性腹膜炎と実質臓器転移をきたす)”(1988) ②子宮腫瘍形成モデルの作成に成功しました(1988)。③基底膜の主要成分であるラミニン-1からNIHのHynda K. Kleinmannらが精製したYIGSR,A12,C16Yというペプタイドが、卵巣癌の増殖や転移能を抑制する事を発見し報告しました。

卵巣がん転移モデル ヌードマウスutero-cervical junctionに移植増殖腫瘤 形成した子宮腫瘍

国際共同研究による薬剤抵抗性克服に関する研究

A.
イスラエル ワイツマン研究所と共同で、喘息の治療薬のテオフィリンが、その有効血中濃度でシスプラチンの作用を2〜3倍増強する可能性を証明しました。
B.
Ottawa Civic hospital, MD Anderson Cancer centerと共同研究を実施し、卵巣癌の薬剤体制機序克服に向けた研究を実施しています。

アポトーシスを抑制する内因性蛋白質であるInhibitor of Apoptosis Protein, IAP)の一つ、X-Linked IAP (XIAP)をアンチセンスを導入したアデノウイルスを用いてその発現を抑制した場合、シスプラチン感受性が増強することを発見しました。また、シスプラチン輸送蛋白であるhCtr1の発現の多寡がシスプラチンの感受性を変化するという知見を得ました。

液性細胞診を用いた婦人科癌診断精度向上に関する研究
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